光友様:弊社は三重県を拠点に産廃の収集運搬及び中間処理を行っています。私は現在、全産連青年部において統括幹事を務めておりますが、コロナ禍をきっかけとして業界としてもDXの推進に関する取り組みを模索し、取り組んでいます。しかしながら、弊社としてDX(具体的には業務管理システムのクラウド化)導入を実現することになったきっかけはコロナ禍前に遡ります。業界問わず、人員不足に悩まされる今日、業務の効率化を図り、限られた人員で業務を継続していける体制を整えなければと、常に危機感を感じておりました。様々なシステムの導入やコンサルティングの方への相談など、試行錯誤しましたが、私のイメージする形に近づきませんでした。そんな時に青年部で知り合ったエクオさんに相談したことがスタートです。
エクオ:弊社は廃棄物業界に特化し、営業プロモーションと業務のDX化を業としており、約2年前になりますが、最初は「システム作れるの?」と、ざっくり聞かれましたので、簡単にこんな実績はありますよ、とご説明したところ、興味を持っていいただき、現状のヒアリングをさせていただくことになりました。おうかがいしてみると、各部門の方が工夫を重ねて構成したエクセルや既存のシステムを使われており、業務の二重作業やミスが起こるポイントなどが多く確認できました。しかしこれは改善に取り組まれている企業様にある傾向でもあり、業務フローを整理するだけで大幅に改善できることがあります。吉野興産様の場合も、現状をそのままシステム化するくらいの提案でお役に立てるかなと、最初はそう思いました。
ヒアリングの細かさに安心しました
光友様:これまで、システムの導入となると、「こんなシステムがあります」「こんな機能があります」と、システムの紹介を受け、導入するかしないか検討するというのが当たり前でしたが、エクオさんは、とにかく現状把握や要望のヒアリングを細かくされていました。そのおかげで、システム以外でも改善につながった業務もありますし、これからシステムを使用する従業員も、自分事として捉えてくれるようになりました。
エクオ:弊社では現状把握とヒアリングを最需要ポイントと位置付けています。そこがおろそかになると、時間やコストが増大する要因でもあり、光友様がおっしゃられた通り、使用するスタッフの方の意識が変わることも理由の一つです。システムはもちろん、自身の業務を見直すきっかけにもなると思います。
光友様:確かに、これまであまり意見の出なかったスタッフからも、こうした機能が欲しいと言った意見が出るようになりました。もちろん全て採用するのではなく、必要なものを取り入れていますが、参加してくれる姿勢が嬉しいですね。
エクオ:完成後の導入前説明会ではみなさん積極的に質問されていたのが印象的でした。他社ではほとんど質問なく終わることもあるので。
導入後も継続して改善とサポートが大切
光友様:その後、改善点やシステムの提案を依頼し、こちらが出した希望のほとんどを形にしていただきました。何より決めてとなったのは、業界の業務を理解し、他社での導入事例などから、プラスアルファの提案をしてもらえるところでした。私達はシステムの専門家ではないので、機能的な事を伝えるのはかなりハードルが高いですが、困っている内容を伝えると、「ではこうしてみてはどうでしょう」とこれまでの実績を参考に提案してくれますので、スムーズに進行することができました。エクオさんなら当時考えていた構想に近づけると、お願いして良かったと思っています。
エクオ:導入から約1年となりますが、更に改善のご要望がございましたので、現在構築を進めている最中です。弊社では廃棄物業界で様々なシステムを導入させていただいていますが、同じ廃棄物業界であっても、当然ながら各社それぞれの都合、事情があり、そこから出てくるお悩みを解決することは大変な作業です。しかし、そこが面白いところでもあり、追及を重ねていくことがノウハウとなり、弊社の財産となり、また更に業界の皆さまへ還元できると考えています。
光友様:エクオさんが言うように、同じ業界であっても各社の仕様があるので、そこに細かく対応してくれる会社は少ないと思います。廃棄物業界特有の業務フローや専門用語などがわからない状態でしたら尚更です。しかし、やはり核となる部分は同じなので、色んな会社で構築した仕様を、選択肢として提案してもらえれば、検討もしやすいですし、エクオさんにはこれからもどんどん実績を増やし、廃棄物業界へ情報提供をお願いします。
導入後、目に見える形での効果が多数
エクオ:提案前のヒアリングで見つかった改善点を踏まえ、システムを構築しましたが、実際ご利用いただいていかがですか?
光友様:一言で業務の効率化と言うと抽象的ですが、今回エクオさんのクラウドシステム導入によって、目に見える形で効果が出ています。これまで使用していたほとんどの伝票を無くし、スマホやタブレットへ入力する仕組みを構築したことで、様々な部門でペーパーレスを実現することができました。これにより、事務スタッフが伝票をみながら入力する作業が無く、当然ミスも少なくなりました。お客様にも専用のアカウントを発行し、契約書作成依頼や、持込みや回収の予約の際にも、必要事項を入力していただけるので、言った言わないのトラブルや確認漏れなども限りなくゼロに近づけることができます。また、各契約内容が各所に反映されているので、契約にない現場、品目の予約を受けつけることもなく、コンプライアンスの観点からも安心です。日々の日報から売上管理、請求書作成までも全て連動しているので大幅に時間の削減につながっており、何より私達管理者としては、日々の状況把握がとても容易になりました。
これまでは選択肢が少なかった
エクオ:廃棄物業界はIT、DXが遅れているとおっしゃる方もおられますが、私はそうは思いません。少しアレルギーをお持ちの方も多いかもしれませんが、原因は私どものような、いわゆるIT企業にあると思います。業界内での選択肢が少なく、競争も生まれない為に、機能や価格に変化がなく、DXが推進できない現状があると考えます。
光友様:確かに、同業で知っているシステム会社は限られた数社の名前が多く聞かれますね。現在では環境ビジネスとして注目を浴びているからなのか、この業界に参入してくるIT企業も増えてきている印象があります。
エクオ:おっしゃる通り競合が増えてきていますね笑。しかしながら、競争が生まれることで、より良いサービスが導入しやすい価格帯へと広がっていくので、業界としては良いことですので、負けないように取組みます。宣伝にはなりますが、廃棄物業界の核となる業務の管理がベースとして構築済みで、各社仕様にカスタムすることを前提としたサービス、環境プラットホームクラウドは、大変ご好評いただいており、様々な処理業者様のお声を取り入れ現在も進化を続けておりますので、業界のスタンダードを目指し、弊社にしかない武器として、業界のお役にたてればと思っています。
属人化解消と現状把握が容易に
光友様:実際に取り組んでみてわかったことがデータ整理の大切さです。これまで事業を続けてきた年数分のデータが、あちらこちらに、また様々な形式で残っているので、システムを一本化する際にはとても大変でした。しかしそのおかげで、今はネット環境さえあれば、社内のあらゆる情報を、簡単に検索して取り出すことができます。まだ完全にというのは難しいですが「この人しかできない、わからない」という属人化の解消にも大きく貢献しているとは間違いありません。エクオさんが以前、DX導入は事業継続の危機管理とおっしゃっていましたが、まさしくこの事だと実感しました。今後も持続可能な企業体制を構築するために、日々改善を続けていきたいと考えています。
エクオ:コロナ禍以降、DXに関する勉強会で講師をさせていただくことが多くなりました。その場で、攻めのDXと守りのDXという話をしています。攻めのDXは新しい技術を使い、可能な限りAIに任せ業務を革新的に改善する方法。守りのDXに関しては「危機管理」として捉え、今の業務が継続できることを当たり前と考えず、第三者の目線で業務を見直し、継続できている今の間に改善点を見つけ、取り組むことが重要です。廃棄物業界の皆さまが事業を継続する上で、弊社がお役に立てることはとても小さな事かもしれませんが、今後必要不可欠であると確信しています。